J1百年構想リーグ開幕!行くぞ、西の新興勢力‘V-ファーレン長崎’

 2026年2月6日より、一度きりの特別なリーグである「百年構想リーグ」が始まる。V-ファーレン長崎は、ホームであるピーススタジアムで開幕戦を行うのだが、迎える対戦相手はJ1で常に上位に位置するサンフレッチェ広島だ。8年ぶりの「平和記念マッチ」となる一戦であるが、この試合はアグレッシブで見応えのある試合になると個人的に予想している。
 昨シーズンの広島の戦い方をもとに、どのような試合展開が予想さえるかを戦術的にプレビューしていき、長崎の注目選手、そしてスタメン予想までするため最後まで読んでもらえたらと思う。

広島のチーム戦術

 昨シーズンの広島の試合を見返して、率直に「強い」と衝撃を受けた。普段はJ1の試合を見ることが少なく、順位表を見る程度であったため広島が強いことは知ってはいたのだが、それでも試合内容をみるとJ2チームとは1段階上のレベル差を感じた。
 では、どのような点で「強い」と感じたのかをできるだけ解像度を上げて説明していきたいと思う。改めて注意して欲しいのが、これからの説明は昨シーズンの広島の戦い方をまとめていくため今シーズンの戦い方はわからない。しかし、昨シーズンの戦術を知った上で新監督がどのような戦術であるのかを知っておいた方が試合観戦の見方が変わり、より一層開幕戦を楽しめるはずであるためそこを考慮してもらいたい。

 チーム戦術 ①フォーメーション

 まず、チーム全体の大まかな戦術についてまとめていく。
 フォーメーションは[3-4-2-1]。これは、あくまでも昨シーズンまで採用していたフォーメーションであるが、新監督のバルトシュ・ガウル監督はこれまで広島が行ってきた‘ハイプレス’を行う監督のようであるため、引き続き[3-4-2-1]を採用してくると予想している。

チーム戦術 ②攻撃

 2025シーズンのチーム総得点は46点(リーグ8位)であった。この全46得点のうち、22得点が‘セットプレー’から生まれているあたり勝負強さがみられたシーズンであった。

セットプレー戦術

 相手GKを意図的にブロックしてCB荒木らを飛び込ませる形がみられている。
 また、WG中野によるロングスロー戦術もみられ、ルヴァンカップ決勝でも先制点の起点となるなど脅威的な戦術だ。

 そして、WG菅や東による精度の高いクロスからも得点が生まれている。パスを多用するチームでは、ゴールに近いポケットから攻略することがみられるが、広島は積極的に相手陣内に潜り込んでいくより、ペナルティーエリア外からのアーリークロスがみられる。

ビルドアップ戦術

 最終ラインでのボール保持時、基本のフォーメーションである[3-4-2-1]から両WBが前線に配置された[3-2-5]へと可変する。広島はボール保持して前進することが可能であるが、知っておいてほしいのが広島は決して‘ポゼッション型’のチームではないことだ。ボールを保持することに拘っておらず、相手が前からプレスを強めてきたらリスクを冒さずCBからFWもくしはWBへロングフィードを行ってくる。ロングフィードからのセカンドボールに対してIHの反応が早くボールを回収することができ、2次攻撃に転じることができる。

 ただ、ボール保持に拘っていないのだがビルドアップが苦手かと言えばそうではない。というのも、ここが広島の特徴的なところで3CBの足元の技術が高いことでライン間にポジショニングした味方に鋭く縦パスをつけることができる。

チーム戦術 ③守備

 2025シーズンのチーム総失点数は、リーグ最少の28失点を記録し、チームの好成績を支える最大の武器となった。

 その広島の守備の特徴は‘ハイプレス’と‘プレスバック’である。相手がビルドアップしている際は、主に[5-2-3]からのハイプレスを行ってくる。1トップと両IHを前に押し出して前線3枚でプレスを行い、中盤の脇のスペースをVO中島や川辺が広いプレーエリアを活かして素早くプレスバックを行ってくることで、特にポゼッションを行うチームは苦しんできたはずだ。実際、ルヴァンカップ決勝で対戦した柏レイソルはポゼッションを志向するチームであったが、3-1で勝利し広島は優勝している。

 また、プレスをかわされても最終ラインのCB陣が1対1で簡単に抜かされない。ベテランのCB佐々木・塩谷の存在感は健在だ。それに加え、現日本代表GKである大迫が抜群の安定感とセーブによって絶対的な守護神として君臨していることで強固な守備を構築している。

長崎はどう対応する?

 この強豪である広島に対して長崎はどのようなサッカーをするのが予想されるだろうか。攻守にわけた上で考えていき、鍵となる選手を挙げていきたいと思う。

予想スタメン

 まず始めに両チームの予想スタメンをする。長崎のスタメンは自分の願望というより、「高木監督ならこの選手を選ぶだろう」という考えのもとで選んでみた。昨シーズンの実績と守備でも貢献できる選手をスタメンに選出している。(広島のスタメンに関しては自分の願望)

長崎の攻撃

 長崎は、昨シーズン終盤のサッカーを見ていた限りではビルドアップが苦手なチームである。最終ラインでボールを繋ごうとしても、数的同数となるようなプレスを受ければ前線へロングボールを蹴らされる場面が多々みられた。

 広島戦では、両チームとも同じフォーメーションである[3-4-2-1]のミラーゲームとなることが予想され、加えて広島がハイプレスを得意としていることと、長崎がビルドアップが苦手であることを踏まえると最終ラインでボールを繋ぐことは非常にリスクが高いことがわかる。

疑似カウンター

 広島戦での長崎の攻撃は‘ロングボール主体’の攻撃となることが予想される。ただ、CBからむやみやたらにロングボールを蹴ればいいというわけではない。広島がハイプレスを行ってきやすいとはいえ、ロングボールを蹴ることがわかれば自陣のスペースを空かさないために積極的にプレスを行わないだろう。また、広島のCBは空中戦に強く、簡単に弾き返されるとボールを収めることが難しいはずだ。

 そこで、長崎が行う戦術として「疑似カウンター」が有効的ではないかと予想している。あえて最終ラインでボールを保持し、広島の選手を自陣に引き込んで広島陣営のスペースを広げてからロングフィードを行うことで、広がったスペースでボールを回収して一気に広島ゴールへ迫ることができる。

長崎の守備

 昨シーズンの長崎の守備は、広島のようなハイプレスによる能動的な守備と違い、「ミドルブロック」を組んで相手の攻撃を受ける受動的な守備だ。ミドルブロックの構図は、IHを前線に出して[5-2-3]となるのだが、相手の最終ラインの数によって、IH澤田が中盤に降りて[5-3-2]となることもみられた。

 私としては、このミドルブロックは今シーズンも継続してみられるものであると考えている。前線からプレスを行うのであれば積極的に走れる選手を配置すべきであるが、現在のFW陣+マテウスを前線に配置すると相手のパスコースを消しながらプレスを行うことが難しい(マテウスを昨シーズン同様に守備をある程度免除するという話ではあるが)。
 そうなると、広島にボールを握られる時間が多くなるため、自ずとボール保持率は広島が高くなり、我慢強く長崎は守備を行う必要がある

 しかし、予想スタメンとして挙げたFWチアゴ・サンタナは、エジガルやフアンマよりもパスコースを消しながらのプレスが上手いため、昨シーズンよりは相手の攻撃を限定して中盤でボールを奪うことができ、ショートカウンターに転じることができるのではないかと期待を寄せている。

長崎の注目選手

 長崎の攻守について説明したうえで広島戦での注目選手は、私は‘山口蛍’と‘ピトゥカ’を挙げる。無難な選択であるが、冒頭でも書いた通りこの試合は‘アグレッシブ’な試合となると予想している。これは、単に開幕試合だからとか平和記念マッチだからということではない。試合展開として重要な局面が‘セカンドボール争い’とみているため、中盤の攻防が見応えがあるだろうと予測し‘アグレッシブ’というワードを使った。

 そのため、山口蛍とピトゥカが攻守においてボールを回収することができるかどうかがこの試合の鍵を握っているのではないかと考えてる。加えて、山口蛍は積極的に得点に関わるプレーも見せるため、できるならば山口蛍のゴールで開幕戦を飾ってもらったらという願望もある。

これからリーグに向けて

 これから長崎は日本サッカーの最高峰であるJ1で戦うことになる。山口蛍も発言していたがこれからの長崎を「長い目でみる必要がある」と私も思っている。J2時代より勝てる試合が少なくなるはずであるため、自ずと‘悪い所ばかり’目が行きがちとなり、ファンが定着しないかもしれない。‘悪い所’というのは非常に見つけやすいものである。よくSNSにてチーム・選手を中傷する発言が散見されるが、感情的になり目先の結果にとらわれるとそのような発言をしやすくなるのだろう。

 「負けて残念」「勝ってよかった」で終わらず、「なぜ負けてしまったのか」「なぜ勝てたのか」を深掘りすることがさらに重要となると考えている。Jリーグは世界的にみてもまだ生まれたばかりのリーグであり、さらに長崎はJ1チームの中でも新参者のチームだ。こういってはなんだが、急に結果を求めすぎるのはよくない。長い目でみていくために、感情的にならないために私はブログを通して戦術的にチームをみて書いていくため、このブログを読んでいる方の長崎への思いと考えの一助となればよいと思っているため、これから継続して読んでもらえたら幸いである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました